平成18年3月吉日
設立の背景・目的
ここ数年、がん治療を取巻く環境は、急激に変化しており、がん治療に対する患者さんの関心も先般の第1回がん患者大集会にみられるように、極めて高いものとなっております。国もがん対策全般を総合的に推進するため、厚生労働大臣を本部長とし関係部局長等によるメンバーで構成される「がん対策推進本部」を設置して対応が開始されております。また、「抗癌剤併用療法検討委員会」や「未承認薬使用問題検討会議」の設置など、海外で既に承認されながら国内では種々の状況から未承認の併用療法や新規薬剤を早く患者さんに届けるための施策も実施に移されつつあります。
一方、がん治療に欠くことのできない抗悪性腫瘍薬は、従来のいわゆる「細胞毒性型抗がん剤」に加えて近年は、抗体治療薬や分子標的薬など新しい作用機序をもつ薬剤の登場、作用機序の異なる抗がん剤同士の併用療法の進展など、多様化の一途をたどっております。このような状況に対応すべく、平成16年8月に「抗がん剤の臨床試験実施及び承認申請のために実施される毒性試験に関するQ&Aについて」の事務連絡の発出、平成16年度厚生労働科学研究における「抗がん剤の毒性試験ガイドライン」の検討、平成17年11月に「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン」改訂版の課長通知の発出など、抗がん剤開発を支援する状況も整備されつつあります。こういったガイドライン等の利用による適確な抗がん剤開発の推進、それらを利用した承認申請は、その後の審査、承認の一連のステップを円滑に進め、よりよい薬をいち早く患者さんに届けるために極めて重要なステップと位置付けられます。その中で、各薬剤の特性に応じた開発がなされることは言を待つまでもありませんが、抗がん剤開発における共通事項として、開発に係るさらなるガイドラインの整備、エンドポイントの設定と評価、国内開発の進め方、海外データの利用や国際共同治験の実施、そこから得られるデータの評価、併用療法に係る効能の与え方及び市販後の対応等、さらに検討が必要な状況も存在しております。
このように従来に比べて複雑な開発戦略が必要とされている抗がん剤の開発ですが、これまで官、民、学が一同に会して、抗がん剤開発に係る課題を議論しあう場が必ずしも持たれておりませんでした。関係者が一同に会した場での開かれた議論をふまえ、官、民、学がそれぞれの立場で課題解決に向けて努力をして行くことで、リスクベネフィットが認知された抗がん剤をいち早く患者さんのもとに届けることに貢献できると考えております。そういった開かれた場で、科学性、倫理性に立脚し、透明性を確保しつつ議論を行う機会を提供することを目的として「抗悪性腫瘍薬開発フォーラム」をここに設立するものであります。
想定される会員
- 大学、病院等で抗がん剤研究に従事されている方
- 企業等で抗がん剤開発に従事されている方
- 規制当局等で抗がん剤の規制業務に従事されている方
- その他
当面の活動計画
- 年1回の年会
- セミナー開催(不定期)
常任世話人
幹事会メンバー
事務局
財団法人癌研究会(江東区有明3-10-6)
発起人
* | 赤座 英之 | (筑波大学) |
秋田 弘俊 | (北海道大学) | |
石岡千加史 | (東北大学) | |
一瀬 幸人 | (九州がんセンター) | |
今井 浩三 | (札幌医科大学) | |
* | 岩崎 甫 | (欧州製薬団体連合会/グラクソ・スミスクライン株式会社) |
上田 孝典 | (福井大学) | |
* | 上田 龍三 | (名古屋市立大学) |
上原 至雅 | (国立感染症研究所) | |
大津 敦 | (国立がんセンター東病院) | |
大西 一功 | (浜松医科大学) | |
大橋 靖雄 | (東京大学) | |
* | 春日 芳朋 | (欧州製薬団体連合会/中外製薬株式会社) |
久保田哲朗 | (慶應義塾大学病院) | |
桑野 信彦 | (久留米大学) | |
小西 敏郎 | (NTT東日本関東病院) | |
* | 小林 利彦 | (米国研究製薬工業協会) |
* | 西條 長宏 | (国立がんセンター東病院) |
佐々木康綱 | (埼玉医科大学) | |
笹子三津留 | (国立がんセンター中央病院) | |
佐藤 俊哉 | (京都大学) | |
島田 安博 | (国立がんセンター中央病院) | |
杉本 芳一 | (共立薬科大学) | |
杉山 雄一 | (東京大学) | |
鈴木 英明 | (COTEC/協和発酵工業株式会社) | |
* | 清宮 啓之 | ((財)癌研究会) |
曽根 三郎 | (徳島大学) | |
瀧内比呂也 | (大阪医科大学) | |
竹内 正弘 | (北里大学) | |
谷 憲三朗 | (九州大学) | |
谷川原祐介 | (慶應義塾大学) | |
田村 和夫 | (福岡大学) | |
田村 友秀 | (国立がんセンター中央病院) | |
塚本 泰司 | (札幌医科大学) | |
* | 鶴尾 隆 | ((財)癌研究会) |
戸井 雅和 | (都立駒込病院) | |
* | 冨田 章弘 | ((財)癌研究会) |
* | 豊島 聰 | ((独)医薬品医療機器総合機構) |
内藤 幹彦 | (東京大学) | |
直江 知樹 | (名古屋大学) | |
* | 中島 和彦 | (日本製薬工業協会/第一製薬株式会社) |
中村 清吾 | (聖路加国際病院) | |
中村 祐輔 | (東京大学) | |
新津洋司郎 | (札幌医科大学) | |
西尾 和人 | (近畿大学) | |
野口眞三郎 | (大阪大学) | |
* | 橋本 順一 | (日本製薬工業協会/ファイザー株式会社) |
畠 清彦 | ((財)癌研究会) | |
濱田 洋文 | (札幌医科大学) | |
* | 廣田 直美 | (米国研究製薬工業協会/日本オルガノン株式会社) |
福岡 正博 | (近畿大学) | |
藤田 直也 | ((財)癌研究会) | |
* | 藤原 康弘 | (国立がんセンター中央病院) |
藤原 俊義 | (岡山大学) | |
堀田 知光 | ((独)国立病院機構名古屋医療センター) | |
前川 平 | (京都大学) | |
南 博信 | (国立がんセンター東病院) | |
宮園 浩平 | (東京大学) | |
室 圭 | (愛知県がんセンター中央病院) | |
* | 森 和彦 | ((独)医薬品医療機器総合機構) |
森 正樹 | (九州大学) | |
門田 守人 | (大阪大学) | |
矢守 隆夫 | ((財)癌研究会) |
(五十音順、*幹事会メンバー)